第3話 重力の檻と運命の歯車
僕はいわゆる「ランクG」だ
世界変換後に人類は一人残らず能力を得た
高能力者の中にはバスを宙に浮かせることができる者や
ビルを飛び越えることが出来る者さえいる
こんな世界になる前は家族や友達に囲まれて幸せだった
あの日を境に変貌した人々「イビル」に父と母が
目の前で殺された
僕は恨んだ、無力な自分を。
「母」の能力で作った、「重力の檻」の中で
人類は何かしらの能力を得たが、発現していない
僕みたいな人はたまにいる。
研究者の発表では、無能力ということはあり得ないらしい
だが実際なんにも超能力が使えないんであれば無能力者と同義だ
そんな僕は今汚染物の目の前にいる
これを毎日毎日、処分施設まで運ばなければならない
人権なんてほぼない僕たちは3食と家の為だけに
超能力社会においても処理に困る放射能汚染物を運ぶ
家族との別れ、無力で何もできなかった自分
どうしようもなく先の見えない現状に
「リオ」は疲弊し、生きることをあきらめかけていた。
だがこの日、一人の男との出会いにより「リオ」の運命の歯車が動き出す。
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