空想の部屋【アニメ化を目指す小説】

小説を書きます。アニメ化を目指します。短くても頑張ってこまめに投稿します。【小説ページ】 https://ncode.syosetu.com/n5315hl/

生きていく覚悟 第1章終了

「ソファーに座っている眼鏡をかけた関西弁の男が「ネドレム」に12人いる長のうち8の数字を与えられている八星天スコルピウス」

 

「けっ」

 

「私は11の数字を与えられている十一星天アクアリウス。そして、そこの髪の長い少女はスコルピウスの部下、八の副星天シャウラです。」

 

「よろしくお願いいたします。リオ殿」

 

とても偉い人たちだということは伝わってきた

 

「よろしくお願いします。」

 

「我々は「ネドレム」は政府から認定され、政府管理の元自発的に警備活動

が行える超能力自衛組織、psychic self defense organization.略して

「PSD」の組織評価最高ランクAAAを与えられたチームです。」

 

PSDは知っている今の時代は警察よりも頼れる組織で、実質現在の

日本での治安維持を行っているのは、PSDだ

 

「なぜPSDのそれも最高ランクの組織なんかがこの街を守りに来たのですか?

そもそもこんな何にもない街は普段「イビル」に狙われたりしないのに

なぜ狙われたのですか?」

 

「はい、普段なら、もしこの街が狙われていた情報が漏れていたとしても

せいぜいBランクのPSDが派遣される程度でしょうが今回のイビルの狙いと

襲撃に来るイビル自体の能力値が以上に高い情報を入手したので確実に

ミッションをこなせるように我々が自主的に要請を出し、他のPSDにも

無駄な被害が出ないように自粛してもらうように通達いたしました。」

 

「そのイビルの狙いというのは?」

 

「そうですね、そこがあなたを連れて帰るという話とつながってくる

のですが、今回のイビルの目的はあなたです。リオさん。」

 

「え?・・・?」

 

最初から僕とは関係のない遠い所で話をしていて、理解しがたいと感じていたが、ついに意味が分からなくなった

 

「どういうことですか?」

 

「あなたはランクGとは何か理解していますか?」

 

「能力を発言できない無能力者、ですか?」

 

「正解であり不正解です。正確には能力を発言できていない能力者です。

この意味が分かりますね?」

 

「わかりますが、発現できなければ無能力者と同義では?」

 

「そう捉えるのが一般的ですが、有能な能力を保有していて

発現できていないだけであれば、もしその能力を発現させることが

出来れば有能な能力者になり得ます。今のこの世界にはあらゆる

有能な能力者がいます。例えば、、、シャウラ宙に浮きなさい」

 

「はい」

 

シャウラという少女は床から30㎝ほどのところで浮いて見せた

超能力というものはもちろん見たこともあるし理解もしているが

やはりすごい

 

「正確にはシャウラは浮遊能力ではなく空気を圧縮させその

空気に乗っているイメージで、宙に浮いているように見えます。

これを応用すれば、すごいスピードで空中を移動できますし

敵への攻撃にも適しています。」

 

「こういった能力が有能であると?」

 

「はい、もちろん有能です。しかし能力系統としては同系統も多くありふれた

能力といえます。浮遊できるのはシャウラのセンスと努力の賜物といったところです。ではどういった能力がもっとも有能といえるかというと、物理的な超能力ではない能力、すなわち時間に干渉する能力です。」

 

「時間ですか?」

 

アクアリウスの話を聞いていると、だんだんと高揚感が湧いてくる

流れから行くと僕を連れて帰るという目的、有能な能力、能力を発言できていない能力者・・・

 

早く結論を聴きたい、もしかすれば僕はこの大嫌いな世界を好きになれるかもしれない

 

浅はかで幼稚で結局能力が欲しかっただけのクズなのかもしれない、それでも

何か変わりそうな、そんな期待がどんどん膨らむ

 

「そうです、超能力者の中に極めて稀に時間に干渉できる者が現れます。その能力はありとあらゆる組織が欲しがっています。もちろんイビルのような悪い組織もまた欲しています。まだ発現していないですが、あなたの事です。リオさん」

 

僕はなんて情けなくてクズなんだ、自分に隠された能力があると言われ

そのためにこの街は襲われ、ネドレムが守ってくれたとはいっても

関係のない人が巻き込まれているというのに、喜んでいる

 

「私たちネドレムもあなたを求めています。一緒に来ていただけますか?」

高揚している・・・僕は大嫌いな自分と大嫌いなこの世界を受け入れることができそうだ

 

母と父を殺したこの世界で僕は生きていく覚悟を決めた。

メンバー


割れた窓ガラスの破片の上に仁王立ちする少女
何とも得意げな顔だ

「お前は何をやっとんねん!わざわざ窓ガラスぶち破って
入って来よって」

「うるさい!スコルピウス、あなたの指示が不適格であるため
残党狩りにここまで時間を費やしてしまったのよ、謝りなさい!」

「上司に向かって、どんな口の利き方やねん」

「ピンポーン」

言い争っているのはいいが玄関で待たせている客人が
誰なのか確認しに行ってほしい、なるべく早く

「まぁお前はそこで待っとけ、多分アクアリウスのやつも
いま来とるんや」

願いが通じたようだ

・・・少しして関西弁と一緒に背の高い
きれいな女性が入ってきた

「初めましてアクアリウスと申します」

「初めましてリオです。」

初めてまともに話せそうな人が来た

「えっと、、その、僕を連れていくというのはどういうことですか?」

「え?スコルピウスから何も聞いていないのですか?」

「詳しくは何も、、、」

スコルピウスって名前もさっきどさくさに紛れて
聞こえてきたくらいだからな

アクアリウスさんは呆れた様に、言う
「あなたたち二人ともここに並びなさい」

「はい!」
髪の長い少女が元気よく返事をし、てきぱき動く。

「い・や・だ。」
関西弁はソファーに座り込んだ

さらに呆れた様にため息をつく
「はぁ」

・・・

頭を抱えた手をスッと下ろし顔を上げ彼女は話し出す

間に合っていない援護


情報を整理すると、この町は悪い組織になぜか狙われていて

 


それを阻止、防衛するために、「ネドレム」が守りに来てくれたという
ことらしい、そこに当然の疑問を抱く

 

 

「なぜこの町は狙われたのですか?」

「他のメンバーが説明する言うたやろ!とにかくお前が高能力者に爆撃されそうなときに俺がその能力者を倒してあげたということや!まぁ感謝せぇよ」

 

 

・・・あの衝撃は能力者からの爆撃だったらしい、助けは、間に合ってなかったが


「まぁもうじき、他のメンバーも一旦ここに来るさかい、まっとき」

僕の家だから待つも何もここしか居場所がないのだが

 

 

「ピンポーン」

めったにならないチャイムが鳴った

・・・誰か来たみたいだ・・・関西弁に話しかける

「誰か来たみたいですね」

 

「メンバーやろな、俺が見に行ったる」

メンバーであることを祈る
関西弁が椅子から立ち上がり玄関の方に向おうとしたその時

 

「ガシャン」

 

玄関とは反対にある窓ガラスが割れる音がし
振り向くと140cmくらいの背丈で
地面につきそうなくらい髪の長い少女が飛び込んできて
着地し顔をあげ
彼女は元気よく言った

「任務完了です!」

組織評価AAA「ネドレム」


まぶしい・・・

目を閉じていても明るさを瞼に感じ

ゆっくりと目を開く

 

 

そこは仕事が終わって帰ろうとしていた

ワンルームだった。

「お目覚めかいな?」

つい最近聞いたことのある関西弁が

僕の顔を覗き込みながら話しかけてくる。

 

 

「あんたは誰だ?」

こてこての関西弁を使うやつは50/50で

悪者だということは、世界変換前の世界で見てきた

あらゆるアニメで学んでいる。

 

 

「なんや?その態度は?まずは、ありがとうござい

ます。やろ!

それか、僕の家まで運んでくれたんですか?や!」

 

 

その僕の家をなぜ知っているかという、大問題は置いておいて
今はとりあえず感謝の言葉を渡しておこう。

「ありがとうございます。」

「今、とりあえず言うとこって感じで言うたやろ?・・・まぁええわ
色々と聞きたいことが有るやろうけど、細かい話は他のメンバーにさすとして
大事な2つだけ教えたる。」

「・・・はい」

他のメンバーということはこいつは組織に所属した
超能力者と、考えて良い

気が抜けてきて気づいたが体中が痛い
時計の針は21時を指している、あれから3時間か


まだまだ体が痛い、体を休めたいが今の状況と大事な話が2つ
その情報の為に我慢する

 

「俺ら、組織評価AAAの「ネドレム」は、この町が狙われとる情報を


手に入れ、それを阻止して町を守る為に来たんや
それは無事達成出来たし残りのメンバーが残党狩りに出かけとる。

 

それともうひとつがな
・・・お前を無事にうちの事務所に連れていく、それが今回の俺らのミッション
ちゅーわけや」

 

 

なるほど全然理解ができない
それと僕を「無事」に連れていく方のミッションが失敗している。

第4話 whatever

 

2042年7月23日

 

今日は人が持ち運べるサイズに解体された車のパーツだ

世界変換後に起きた暴動の時に発電所内の人々は逃げた

 

運転を管理する者がいない原子力発電所は必然的に

冷却機能が停止し、そのまま核分裂が行われ続けメルトダウンが起き

 

「レイナン」のほぼ全域が汚染区域となった

そのおかげで、あらゆるものが汚染され

今僕は車のパーツを運ぶ羽目になっている

 

「運ぶ」といっても防護服を着て手でトラックの荷台に乗せ

処分施設「マオバ」に運び巨大なピットに投げ入れる

 

詳しく知らないが、高い給料の「ランクE」の複数人が能力を掛け合わせ

処理することができるらしい。

 

この町では5000人がいろいろな作業をしているが

処理が完了するまで、あと10年かかるらしい

 

処理後は町の再開発、それには全行程25年

「ランクG」の僕は再開発中も肉体労働だろう

35年後に何をしようか今のうちに考えておくべきか

明日死ぬべきか、今日もそんなことを考えながら

「レイナン」のセーフゾーンにある家に帰るため

トラックに乗り込んだ。

 

 

トラックの揺れに身体を任せて西日に目を細め

 

OASIS」を流す。

 

「~I'm free to be whatever I

Whatever I choose

And I'll sing the blues バッ―― 」

 

ワンフレーズを聴く前に目の前が見えなくなるほどの光と

爆音、とてつもない衝撃に襲われた

 

そのままの勢いに僕はフロントガラスを

突き破ってアスファルトにたたきつけられた。

 

状況が全く分からないまま
数秒間うずくまった後

身体のあらゆるところに走る激痛を我慢して
頭だけ挙げて周りを見渡すと誰かが
近づいてきて僕にしゃべりかけた

 

近づいてきて僕にしゃべりかけた

「ごめんな間に合わへんかった、まぁ生きててよかったやん

この町と君を守りに来たんや」

 

色々と把握できない中

関西弁の主張すごいな、そのインパクトだけ記憶して

気を失った。

 

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第3話 重力の檻と運命の歯車


僕はいわゆる「ランクG」だ

 

世界変換後に人類は一人残らず能力を得た

高能力者の中にはバスを宙に浮かせることができる者や

ビルを飛び越えることが出来る者さえいる

 

 

こんな世界になる前は家族や友達に囲まれて幸せだった

あの日を境に変貌した人々「イビル」に父と母が

目の前で殺された

 


僕は恨んだ、無力な自分を。

「母」の能力で作った、「重力の檻」の中で

 

人類は何かしらの能力を得たが、発現していない

僕みたいな人はたまにいる。

 

研究者の発表では、無能力ということはあり得ないらしい

 


だが実際なんにも超能力が使えないんであれば無能力者と同義だ

そんな僕は今汚染物の目の前にいる

 


これを毎日毎日、処分施設まで運ばなければならない

人権なんてほぼない僕たちは3食と家の為だけに

 

 

超能力社会においても処理に困る放射能汚染物を運ぶ

 

 

家族との別れ、無力で何もできなかった自分
どうしようもなく先の見えない現状に
「リオ」は疲弊し、生きることをあきらめかけていた。

 

 

だがこの日、一人の男との出会いにより「リオ」の運命の歯車が動き出す。

 

 

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第2話 世界情勢とランクGの町「レイナン」

「超能力社会」になり人類は変貌した

 

「超能力」は想像力に比例した

イメージ力の強いものほど

強く能力を発揮した一朝一夕の想像力ではなく

 

長年積み重ねてきたイメージ力

これが能力に反映された。

 

高い超能力を身に着けた人類の中に

その力で支配、略奪、殺人を行い


自己的欲求を満たす事を主として

行動する者たち「イビル」が増え続け

 


それを抑止するのに日本の警察や軍事力では

太刀打ちできなかった。

 

基本的に1人に1つの能力にしか目覚めないが

高能力であれば銃程度火の能力であれば燃焼し、

水であれば弾丸を止める水壁

 

身体能力向上の能力であれば

弾は当たらなかった、もちろん警察、軍にも

高能力者はいたが200万人の「イビル」に

30万人では歯が立たなかった。

 


しかしこれに対抗すべく自力救済機関として

多くの国民が組織した

「イビル」と「軍、警察、自衛組織」

との抗争は半年ほど続き


多数の被害を出したが「イビル」の制圧を完了させた

 

これほどの力であるため、

あるいは世界の軍事バランスが崩れ世界戦争に

なる場合も充分にありえたが

 

 

不幸中の幸い各国が同じように暴動を鎮圧させ

それぞれの国で制度を確立させ自国の制圧が終わった頃には

 

他国との「超能力」による軍事バランスが

明確化されていたため戦争には至らず。

 

あらゆる国はアメリカ、中国、日本という3強国

の傘下に加わり軍事バランスを保った。

日本が3強国になり得たのはイメージ力を養う

文化が根強かったためである

 

2042年7月23日

 

世界が「超能力社会」に変換され、

3年と半年が過ぎようとしている夏
「リオ」は、この最低の町「レイナン」

で今日も最悪のものを運ぶ

 

世界変換の後、能力を利用し新たな

エネルギー開発により不要になった

原子力発電所の解体と汚染物の処理の為に

 


能力が低い者「ランクG」の人間はこの町に集められる。

似た町は日本に何か所かあるが同目的で「ランクG」が集められる。

 

世界中で人類はランク付けされた

3強国の会議でランクの呼称は

能力の高い者から「ランクA」

特に低い者は「ランクG」

 

の7段階で統一された。

 

「ランクG」のリオは、変わり果てたこの世界と

生まれ育った町「レイナン」が大嫌いだった

 

 

 

 

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